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マイケル・クライトンの「NEXT」 [読書]

NEXT 上 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

NEXT 上 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

  • 作者: マイクル・クライトン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2007/09/07
  • メディア: 単行本
NEXT 下 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

NEXT 下 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

  • 作者: マイクル・クライトン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2007/09/07
  • メディア: 単行本
遺伝子にまつわるお話。登場人物が多すぎて上巻はそれぞれのストーリーの追うのに一苦労、下巻はアクションシーンがメインで話が一気に進むという展開。
究極のビジネスマターである遺伝子、という解釈を前提としたお話ながら、決して未来の話ではなく、今現在起こっているかも?と想像できるだけに、ある種、不気味でもあります。
作品自体は10数年前に書かれたものですが、もし今創作されていれば内容はもっと違ったもの(バージョンアップされて、という意味で)になっていたでしょう。
ips細胞の実用化が現実のものとなった現代において本作の“ネクスト”を読みたいという感じ。マイケル・クライトンさんがこの世にいないこと、残念でなりません。

タグ:遺伝子
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門井慶喜の「新選組の料理人」 [読書]

新選組の料理人

新選組の料理人

  • 作者: 門井慶喜
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2018/05/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
新選組を描いた小説は数あれど、賄方=料理人の視点から新選組を描いたのは本書が初めてでしょう。菅沼鉢四郎という人生では負け組?の男が、賄方として新選組に入隊、近藤や土方、沖田といった主役の影で新選組の行く末を見守ることになります。
入隊のきっかけとなった原田左之助とのやりとりが中心となりますが、時代のうねりの中で悶々としていた当時の若者たちの受け皿的存在であった新選組にあって、公儀のためという大義名分のもとで活動することでアイデンティティを得たはずが、時代の要請にともなってそのよりどころをなくしてしまうというなんとも悲しいことに向かっていく・・・
いろいろな解釈はあると思いますが、新選組という時代の仇花をうまく描いている感じがします。ちょっと切なくなるお話です。

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堂場瞬一の「時限捜査」 [読書]

時限捜査 (集英社文庫)

時限捜査 (集英社文庫)

  • 作者: 堂場 瞬一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/12/14
  • メディア: 文庫
検証捜査で神奈川県警に集まったメンバーのそれぞれの本籍に戻ってのシリーズは4作目になります。警視庁、埼玉県警、福岡県警ときて、本作は大阪府警が舞台。
主人公島村は検証捜査では、ベテランとしてチームの下支え的存在の印象でしたが、本作では大阪府警梅田署の署長として登場。出世したんだーと思いつつ読み始めると、これがなかなかのヒーローぶり。署長として最後の日に起こった大阪駅人質立てこもり事件の解決に奔走します(警察学校の校長への就任が決まっていた)。
ドローンによる大阪市内各地への攻撃、銀行強盗事件など立て続け、かつ同時進行的におこる事件の中で、解決につながるヒントは、神谷のいる東京に・・・・
西日本最大のターミナル駅を舞台に、限られた時間の中、時々刻々と変化する事態・・・なかなか手に汗握る展開は、検証捜査シリーズとしては異色の展開かと。しかももっともアクションとは縁遠いはずのキャラクターである島村が主人公。
肩ひじはらず素直に次はとうなる・・・ページをどんどん捲りたくなる作品、お奨めです(シリーズの他の作品を読んでいなくても大丈夫、本書初見でも十分に楽しめます!)

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垣根涼介の「信長の原理」 [読書]

信長の原理

信長の原理

  • 作者: 垣根 涼介
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/08/31
  • メディア: 単行本
光秀の定理 (角川文庫)に続く作品と思って読みました。双方を併せて読むと、本能寺の変は避けられたのではないか?と思ってしまいます。“原理”と“定理”による解釈の違いはありながら、それぞれが必要不可欠の存在として描かれ、同じ目標に向かって動いていたはず・・・。信長が生き延びていた場合、その後の日本の歴史にどのような影響を与えたかについては、歴史学者の意見を待つとして、少なくとも秀吉➔家康という順番で天下が収まったかどうかは疑問です。

いずれにせよ、本能寺の変がなぜ起こったのか?という歴史的命題に対する答えの一つが本書には記されています。光秀が信長を殺さざるを得なかった理由が描かれていますが、本書ではちょっとした(光秀の)部下とのやり取りの際の情報伝達、共有の仕方に問題があったという展開になっています。まあこれ以上書くとネタバレになってしまいますが、ほんのちょっとした行き違いが謀反の真相という形。

遠因としては、信長自身の“原理”を貫く姿勢がそうさせたともいえるのですが、従来の信長像を説明するのに、本書の原理にこだわった姿勢、考え方を前提とした場合、腑に落ちる内容。歴史的事実の節目節目を埋めるフィクションとして、納得のいく内容でした。

信長といえば光秀ですが、松永久秀がなぜ信長を裏切ったか?という件(くだり)があります。もしかしたら、ここの部分が本書の核だったかもしれません。

お奨め一冊です。

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岩井三四二の「歌え、汝龍たりし日々を 始皇帝紀」 [読書]

歌え、汝龍たりし日々を 始皇帝紀

歌え、汝龍たりし日々を 始皇帝紀

  • 作者: 岩井三四二
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2018/08/31
  • メディア: 単行本
タイトルにある通り、秦の「始皇帝」の一代記です。
李斯という側近の目からみた中国統一までのいきさつと滅亡までを描いた大河小説です。
中国を舞台にした小説だけに、時間距離と物理的距離が読めなかったり、各国間での戦の描写=数十万人が相争うという展開は、三国志に代表されるスケールの大きさにつながるものがあります。
中国初の統一王朝であり、初の皇帝に即位した、という歴史的事実を踏まえ、フィクションで紡ぎながらの一代記は、下の者が成り上がっていく下剋上的な話とは違い、話自体は落ち着いているといえるのですが、陰謀渦巻くい陰湿な争いや暗殺、謀殺など、全体としては暗いトーンといえないこともない。
国のトップに立つ者の孤独感や猜疑の心、苦悩等を側近の立場から客観的に描いているからか、抑揚のない感じがないでもありませんが、むしろこの方が良かったのかもしれません。
秦の滅亡に伴い劉邦や項羽が活躍する時代に突入することになりますが、本書の最期の部分で項羽と劉邦が登場。もしかしたら岩井先生、続編は岩井版の「項羽と劉邦」でしょうか?

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くろきすがやの「感染領域」 [読書]

【2018年・第16回「このミステリーがすごい! 大賞」優秀賞受賞作】 感染領域 (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)

【2018年・第16回「このミステリーがすごい! 大賞」優秀賞受賞作】 感染領域 (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)

  • 作者: くろき すがや
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2018/02/06
  • メディア: 文庫
”このミス”の優秀賞受賞作だけあってさすがに読ませました。
組織になじめず、正直すぎて、世間から少し浮いていてちょっとさえない主人公(本当は一目置かれている?)、その実力を認めつつぞんざいな扱いの体を示す上司、美人で誰もが羨む元カノとの仕事、その元カノの存在を脅かすかのような可愛い女性の登場、いざという時に頼りになる影の支援者・・・・強大な悪に立ち向かう主人公が活躍する素地は完璧・・・こういう小説は安心して読めます。
舞台は日本ながら世界に影響を及ぼすかもしれないという陰謀、物語の展開の展開の割には意外にあっさりと解決してしまったという感じは、やや拍子抜けしたものの、それだけ読みやすい作品だったのでしょう。
一つだけ難があるとすれば専門用語の分かりにくさ。カタカナやアルファベットが続くと戸惑ってしまう。まあそんな難点を差し引いても一気に読めました。なかなか面白かったです。

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ジェフリーディーヴァ―の「スティール・キス」 [読書]

スティール・キス

スティール・キス

  • 作者: ジェフリー ディーヴァー
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/10/30
  • メディア: 単行本

リンカーン・ライムシリーズの第12弾は、繋がる家電、ありとあらゆるものがネットでつながりつつあるIoT時代の黎明期を迎えた「今、そこにある危機」を題材にしています。

エスカレーター、電子レンジ、クルマ・・・身近なツールや道具がある日、突然、牙を向く・・・ネットでつながることで利便性が増すと同時に、命の危険(言い過ぎかも)にさらされる可能性、リスクも伴う。フィクションであるがゆえに、そんなに簡単にネットワークに入れるかどうかは置いておくとして、悪意のある誰かが実行に移す可能性を全く否定することはできないリアリティがあります。

IoT時代におけるテロといえる犯罪ですが、本書ではユーザー名簿から攻撃する対象を特定していること。一見すると電子レンジなどは製品の不具合として片づけられる可能だって高い。メーカーの製造責任が問われ、本当の犯人は分からないという完全は犯罪も成立する。

恐ろしい話です。リンカーンライムシリーズの特長は時代の先端をいくトレンドを物語に見事なまでに反映させること。読者のリアリティに訴えることで、臨場感が増します。

相変わらずの読み応えですが、単行本は厚いし重い。電車で読むのは一苦労です・・・・

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中山七里の「秋山善吉工務店」 [読書]

秋山善吉工務店

秋山善吉工務店

  • 作者: 中山 七里
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/03/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
カバー表紙のイラストの通り、頑固そうな爺いが主人公の「善吉」さんです。
いろいろあって父方である善吉爺さんの家に居候することになった嫁と息子二人。「いろいろあって」の詳細はネタバレになるので控えますが、まあ火事で焼け出されたということなのですが、その火事で亡くなったお父さんの実家が善吉さんの家ということになります。
善吉さんのキャラクターは職人肌の頑固爺。そんな善吉さんに馴染めない嫁と息子たちのエピソードが綴られています。
まあ物語の流れは想像がつくとして、実に軽妙でノリの良い小説。最後の最後で物語冒頭の疑問?が明らかになる・・・スッキリとした読後感です。

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岩井三四二の「正宗の遺言」 [読書]


政宗の遺言

政宗の遺言

  • 作者: 岩井三四二
  • 出版社/メーカー: エイチアンドアイ
  • 発売日: 2018/07/30
  • メディア: 単行本

「正宗」とは、ご存知、伊達正宗のこと。戦国稀代の英雄であり、遅く生まれてきたからこそ三代将軍家光の頃まで生き延びた“戦国の生き残り”でもある。

正宗については従来の諸本では関ヶ原までが活躍の舞台として認知されてきたが、本書においては臨終までの数か月を小姓の視点から描き、過去を振り返るという体裁をとっているところが正宗の一代記を描く上で新しい切り口といえよう。

徳川幕府の天下を脅かす最後の巨魁として幕閣から目をつけられながらも、徳川家光には絶大なる信頼を得ていた正宗。伊達家取りつぶしを目論む幕閣とのやり取りを中心に、伊達家の成り立ちを振り返りながら最後まで戦いぬこうとする正宗の悲愴感と幕府創成期における緊張感がよく描かれている。

なるほど、そういうことか!?というラストはびっくりするほどではないにせよさわやかな感じもする。視聴率はとれないかもしれないがなかなか重みのある緊迫感のあるドラマの原作になりそうな作品。

蛇足ながら本書を読んでいて大河ドラマ「 渡辺謙主演 大河ドラマ 独眼竜政宗 完全版 第弐集 DVD-BOX 全6枚【NHKスクエア限定商品】」を再見したくなった次第。面白い。

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吉川永青の「化け札」 [読書]

化け札

化け札

  • 作者: 吉川 永青
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/05/20
  • メディア: 単行本
真田昌幸の話である。真田一族は戦国時代にあってはヒーローであり、エンタテイメントの世界においてもその存在感は信長、秀吉、家康に匹敵するほどといっても過言ではあるまい。
本書は武田家滅亡から第一次上田合戦までを描いた作品で、真田昌幸を主人公に周辺諸国との攻防を描いている。真田一族を描くとき、その多くが信繁(幸村)へつなぐため、昌幸時代の話は端折られる傾向がある中で、本書は昌幸時代を密度濃く描き、息子たち信幸(信之)、信繁はほとんど登場しない。正に昌幸のための作品である。
中井貴一主演 大河ドラマ 武田信玄 完全版 第壱集 DVD-BOX 全7枚【NHKスクエア限定商品】 内野聖陽主演 大河ドラマ 風林火山 完全版 第壱集 DVD-BOX 全7枚【NHKスクエア限定商品】 などで真田幸隆や昌幸がいかに武田家を深いつながりを持ち、武田家で重きをなしたかが描かれたことがあったが、本書は戦国スター一族成り立ちの物語、エピソードといった趣を持つ。


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