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誉田哲也の「ケモノの城」 [読書]

ケモノの城 (双葉文庫)

ケモノの城 (双葉文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2017/05/11
  • メディア: 文庫
リハーサル (幻冬舎文庫) を読んだ後、この作品を読んでしまったことに後悔しています。本書に登場する主犯、従犯がもたらしたインパクトは筆舌につくし難いものがあります。

ここまで人間は残酷になれるのか?という素朴な疑問。豊かな人間性とは性善説が前提になっていると思いますが、ここに登場する人物は性善を前提とした人間性ではなく、性悪を前提としているが故の人間性=ケモノを体現しているのではないでしょうか?

子どもが虫や小動物をいじめ、場合によっては殺してしまうという感覚をそのまま引きづり続けたらこんな風になるかもしれないという展開です。

もはや常識やフツーの価値観では測り切れない何かが描かれたような気がしています。

もう一度書きます。「リハーサル」の後に本書を読むのはお勧めできません。人間不信になります・・・

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五十嵐貴久の「リハーサル」 [読書]

リハーサル (幻冬舎文庫)

リハーサル (幻冬舎文庫)

  • 作者: 五十嵐 貴久
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2019/02/21
  • メディア: 文庫
ああ…おぞましい...リカです。ほんと嫌な女です。
とは言え、怖いもの見たさの気持ちも手伝ってまた手に取ってしまった...
シリーズを重ねるごとに彼女のふるまいはエスカレートしているように思います。
科白の一つひとつはわざとらしく嘘くさいのですが、ある局面において聞いたことがあるようなフレーズもあって鳥肌が立ちます。
そんな経験はない?はずでありながら、リカの存在とふるまいは誰もが持っている深層のある部分を刺激するということなのでしょうか?
五十嵐先生によればまだまだシリーズは続くとのこと。読後感は嫌な気分になるのですが、また手に取る予感・・・ああ、おぞましい・・・


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海堂尊の「スカラムーシュ・ムーン」 [読書]

スカラムーシュ・ムーン (新潮文庫)

スカラムーシュ・ムーン (新潮文庫)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/02/28
  • メディア: 文庫
この一連のシリーズの完結編ともいえる作品ながら、全体に漂う荒唐無稽さと本書に登場する加賀の大学院生たちの起業に至るくだりにみられるギャップが面白いともいわせるし、無理があるともいわせるという両面の性格があるような作品です。
架空でありながら現実の出来事を連想させる展開は迫力がありつつも、本音を言えば大学院生たちの奮闘ぶりを中心にした作品でもよかったのではないかと思いました。
問題提起型の作風である海堂さんの作品である以上、いろいろな要素を絡める必要があったのでしょうが、シリーズの構成を考えればやむを得ないというところでしょうか?
ぶっちゃく楽しく読めましたが、最近、先生が進めているゲバラ作品は未読。読み応えのある作品を世に多く出してきただけに興味があります。
チャレンジしてみようかと思っています。

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島田荘司の「鳥居の密室 世界にただ一人のサンタクロース」 [読書]

鳥居の密室: 世界にただひとりのサンタクロース

鳥居の密室: 世界にただひとりのサンタクロース

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/08/31
  • メディア: 単行本
島田荘司さんの作品、久しぶりに読みました。書下ろし作品です。
島田ワールド全開、新本格派の面目躍如たる作品ですね。若き日の御手洗(京大時代)が登場(本書を手に取った時、あっ、島田先生の新作だ!という理由だけで中身を確認しなかったので、読み進めてすぐに少々びっくりでした)。
謎解きは極めてオーソドックスでありますが、主題は犯人とされた青年の深層と行動にあります。なぜ彼は思い行動したか・・・舞台になる鳥居、実在してますよね。ちょっとその辺の驚きもありました。
島田さんの作品としては短いほうだと思いますが、かなり深く重い印象を持ちました。
お勧めの作品です。

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佐藤正午の「鳩の撃退法」 [読書]

鳩の撃退法 上 (小学館文庫)

鳩の撃退法 上 (小学館文庫)

  • 作者: 佐藤 正午
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2018/01/04
  • メディア: 文庫
鳩の撃退法 下 (小学館文庫)

鳩の撃退法 下 (小学館文庫)

  • 作者: 佐藤 正午
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2018/01/04
  • メディア: 文庫
直木賞受賞作家が主人公の本書、小説の中の現実と小説としてのフィクションが入り交じり、ぼーっとしていると混乱してしまう作品です。
正直、この小説の主人公であり、”書き手”でもある津田というおっさん、あまり好きではありません。本の中でも変人扱いされている描写が多々出てきますが、面倒くさい、という表現がもっともあっているような気がします。
ただ、この性格というか精神面でのタフさ、図々しい態度は世の中を生きる上で必要な能力?であり、私にないものをもっているという点でうらやましい気もします。
タイトルの鳩って何?ということなのですが、正直、読了してみてわかったようでわかっていないのかもしれないのですが、まあ、面白かったような気になったから不思議です。
面倒くさいセリフ、展開なので、精神状態がよろしいときにお勧めの作品です。

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万城目学の「パーマネント神喜劇」 [読書]

パーマネント神喜劇

パーマネント神喜劇

  • 作者: 万城目 学
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/06/22
  • メディア: 単行本
この表紙のイラストを見てもお分かりのように、本書は“喜劇”です。
神様が主人公。神様といってもその辺にある神社でお勤めを果たしている神様で、縁結びだとか商売繁盛だとか学業成就といった皆様のささやかな願いをわずかな賽銭を原資に叶えて差し上げようと思っている?神様が主人公のお話。
連作集なのですが、本書のテーマは一番最後の作品かな?と思います。2016年の熊本神社で倒壊してしまった阿蘇神社の風景がモチーフになっているような気もします。場所は特定されていませんが、東日本大震災を始めとする相次ぐ被害に翻弄される人々と、神社倒壊、御神木も折れるという状況に、さすがの神様も活動不能となってしまったことや、震災等が大神様によるとものというある種の警鐘めいた展開が最後の最後で読ませます。
万城目さんの作品は、こうした日常の中に潜む不思議なものを作品のモチーフにすることが多い作家さんだと思いますが(結構好きです)、神様自身が主人公という作品。日本の神様らしくいい加減でもありますが、親しみもあってなかなかほのぼのとさせられました。
次の新作、期待しております。

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伊東潤の「戦国鬼譚 惨」 [読書]

戦国鬼譚 惨 (講談社文庫)

戦国鬼譚 惨 (講談社文庫)

  • 作者: 伊東 潤
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/10/16
  • メディア: 文庫
惨劇の嵐である。
武田信玄亡き後、勝頼の代になってなんとかその勢力を維持してきた武田であったが、設楽原の敗戦後、急速にその勢力を弱め、滅亡へと至る武田家の人々の惨めな?お話をまとめた短編集である。
主家の求心力低下と主君を支える重鎮無き後の武田家はあっけなくつぶれていく様がなんともいえず悲しい。得てして滅亡する側のお話はこんなもんかもしれない。
本書を読むと、改めて江戸時代に生き残った300家ともいわれる大名家はすごい!と思わざるを得ない。ちょっとしたきっかけでつぶされてしまう戦国から織豊の時代、家を残すということがいかに難しかったかということがよくわかる。
リーダー及びその幹部の振る舞いや決断・・・存続に必要な要素は数あれど、奇跡に近かったのかもしれない。
・・・あまりに悲惨なお話が続くがゆえにテンションが下がってしまったのでした(小説としては面白いよ!)


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伊東潤の「疾き雲のごとく」 [読書]

疾き雲のごとく (講談社文庫)

疾き雲のごとく (講談社文庫)

  • 作者: 伊東 潤
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/03/15
  • メディア: 文庫
伊勢新九郎宗瑞、北条早雲の物語ですが、本書に収録されているエピソードに謎の人物としてさりげなく登場し、それぞれのお話をあっさりと解決していく。早雲がかかわった歴史的事実を時系列で追うのではない展開は、早雲というキャラクターをより一層際立せるものになっています。
この描き方はどの作家にもないもので、新鮮でありました。早雲はカッコいい!と思わせる登場の仕方。歴史小説でありながら時代小説的展開にワクワクした次第。司馬遼太郎や最近では富樫倫太郎などの早雲ものと読み比べるのも良いかもしれません。
北条早雲 - 疾風怒濤篇 (単行本)

北条早雲 - 疾風怒濤篇 (単行本)

  • 作者: 富樫 倫太郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2018/06/07
  • メディア: 単行本

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「決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍」 [読書]


決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍

決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍

  • 作者: 赤神 諒
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/10/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

ご存知?決戦シリーズは設楽原です。長篠の合戦ともいいますね。

戦国最強を言われた武田騎馬隊を鉄砲によって打ち砕いた!という意味で、戦いの歴史における転換点であると同時に、政治的にも後に続く織豊、徳川政権に続く潮目の戦いだったような気がします。

大河ドラマを始めとする数々の映像でもこの戦いは取り上げられていますが、新しい戦法vs.旧態依然の戦法の激突を象徴的に描くことに終始され、馬防柵に守られた織田・徳川連合軍に武田の騎馬隊が突進、三段打ちの鉄砲の前にあえなく打ち砕かれるというシーンが有名です。

ところがどっこい、最近の研究にも裏打ちされた結果だとは思いますが、あの戦い、武田勝頼の戦況をみる目、判断によっては戦自体が起こらなかったこと(撤退の上、再度、決戦の機会があったかも・・・)などが指摘されています。

本書はそうした視点からの短編が収録されています。武田、織田、徳川のそれぞれの陣営からの視点で、時々刻々と戦いの様子が描かれています。

もし、武田軍が撤退した場合、戦国後期の歴史は大きく変わったのではないかと想像します。武田が天下を取ることはなかったと思いますが、豊臣政権や江戸幕府の体制に武田は生き残ったかも・・・なんて想像すると面白い。

まさに「その時歴史は動いた!」って感じですかね。


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マイケル・クライトンの「NEXT」 [読書]

NEXT 上 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

NEXT 上 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

  • 作者: マイクル・クライトン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2007/09/07
  • メディア: 単行本
NEXT 下 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

NEXT 下 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

  • 作者: マイクル・クライトン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2007/09/07
  • メディア: 単行本
遺伝子にまつわるお話。登場人物が多すぎて上巻はそれぞれのストーリーの追うのに一苦労、下巻はアクションシーンがメインで話が一気に進むという展開。
究極のビジネスマターである遺伝子、という解釈を前提としたお話ながら、決して未来の話ではなく、今現在起こっているかも?と想像できるだけに、ある種、不気味でもあります。
作品自体は10数年前に書かれたものですが、もし今創作されていれば内容はもっと違ったもの(バージョンアップされて、という意味で)になっていたでしょう。
ips細胞の実用化が現実のものとなった現代において本作の“ネクスト”を読みたいという感じ。マイケル・クライトンさんがこの世にいないこと、残念でなりません。

タグ:遺伝子
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