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夢枕獏の「瀧夜叉姫-陰陽師」 [読書]

陰陽師―瀧夜叉姫〈上〉 (文春文庫)

陰陽師―瀧夜叉姫〈上〉 (文春文庫)

  • 作者: 夢枕 獏
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/09/03
  • メディア: 文庫
陰陽師―瀧夜叉姫〈下〉 (文春文庫)

陰陽師―瀧夜叉姫〈下〉 (文春文庫)

  • 作者: 夢枕 獏
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/09/03
  • メディア: 文庫
ご存知、安倍晴明シリーズの長編作品です。
平将門と藤原純友の承平天慶の乱をベースにした物語です。キーになるのは藤原純友なのですが、それは読んでのお楽しみ。日本国史上、最強の怨霊として恐れられている平将門。その将門が実にわかりやすく現世(作品上の同時代=平安朝)に仇をなす。将門を討った俵藤太(藤原秀郷)や平貞盛らを襲う謎の娘と黒水干を着た男。百鬼夜行が都を闊歩する・・・
晴明シリーズ独特の世界観が織りなすファンタジー、ミステリー・・・まさに現世を忘れて楽しめる作品です。

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五十嵐貴久の「SCS ストーカー犯罪対策室」 [読書]

SCS ストーカー犯罪対策室 上

SCS ストーカー犯罪対策室 上

  • 作者: 五十嵐 貴久
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/02/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
SCS ストーカー犯罪対策室 下

SCS ストーカー犯罪対策室 下

  • 作者: 五十嵐 貴久
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/03/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
五十嵐さんの代表作の一つに「 リカ (幻冬舎文庫)」があります。衝撃だったなぁ。
追われるものの恐怖がよく表現されていました。テレビ化もされ、浅野ゆう子がリカを演じたのですが、これも秀逸。続編も発表され、かなり凄惨なラストにショックを受けました。
本作はリカのような異常犯罪とは異なりますが、ストーカーという点で本質的には同じ。主人公の女性刑事もストーカー行為を受けつつ、さまざまな事案を解決していきます。
主人公のストーカー犯罪の真相は下巻の最後に明らかになりますが、「リカ」を彷彿とさせる展開。
五十嵐作品の面目躍如といった感のある作品です。

タグ:ストーカー
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東野圭吾の「ウィンクで乾杯」 [読書]


ウインクで乾杯 (ノン・ポシェット)

ウインクで乾杯 (ノン・ポシェット)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 1992/05/01
  • メディア: 文庫

最近は二時間ドラマのサスペンスを“2サス”というらしい。

本書はその2サスの原作としてはぴったりの作品。美人?で可愛い?女性主人公。最初は自殺と思われた展開が殺人事件に発展、途方に暮れてると思いきや現場で知り合った刑事を事件を解決に導く・・・昨今、刑事物やサスペンス物はリアルでシリアスなものが多い中で、こうした原作はちょっとした売れっ子女優を主人公に、かつイケメン系の若手男優を配してドラマ完成!という感じかな。

もっとも本書が書かれたのはバブルの雰囲気が残っている時代。世の中の雰囲気はこうした作品を求めていた時代であり、いちいち細かいところをあげつらってもしょうがない。東野さん的には書いても書いても評価されない暗黒の時代だったようでもあり、時代に雰囲気に乗って書いた作品かも?

本作のノリは、近年の「 マスカレード・ホテル (集英社文庫)」シリーズに通じる部分もあり、それはそれでそのベースであることを考えれば良しとしますかね。


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奥田英朗の「ウランバーナの森」 [読書]

ウランバーナの森 (講談社文庫)

ウランバーナの森 (講談社文庫)

  • 作者: 奥田 英朗
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/08/10
  • メディア: 文庫
避暑地軽井沢で過ごす“ジョン”が主人公です。ジョンは英国人でリバプール生まれ。知る人ぞ知るミュージシャンであり、スターでもありますが、軽井沢で過ごしている彼は一部の人たちを除いて気づかれていない。物語はそんな日本で過ごす4回目の夏、ちょうどお盆のころのお話です・・・
便秘、幻覚、そして幽霊・・・なんとなく主人公のジョンはあいつか!と思いつつ(もっともこれはあくまでも奥田先生が創作したフィクションであります)、彼のジョンが便秘を起点に苦しむさまは非常にほほえましいというか、本当にそんな夏を過ごしていたら面白かっただろうな、なんてニヤニヤしながら読んでました。
また、ジョンの治療にあたる精神科医?心療内科医のキャラクターもよい。他の書評をみるとこのキャラクターが後の伊良部シリーズにつながった?という説もあるようですが、それもうなずける話。なかなかよいキャラでした。
タイトルの「ウランバーナ」とは・・・これは本書の展開、物語の本筋に関わることなのでここでは控えますが、いずれにせよ、ラストがスッキリ!としたものであったことは良かった。本物のジョンは悲しい最期を遂げますが、本書に登場したジョンのような感じで今も生き続けていてくれたらな、なんて思ってしまいました。
面白かったです。

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佐藤雅美の「敵討ちか主殺しか ~物書同心居眠り紋蔵」 [読書]

敵討ちか主殺しか 物書同心居眠り紋蔵

敵討ちか主殺しか 物書同心居眠り紋蔵

  • 作者: 佐藤 雅美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/06/21
  • メディア: 単行本
歳を重ねるごとにこうした作品の面白さがわかってきたように思います。江戸時代の話ではありますが、居酒屋を起点に気心のしれた仲間たちと問題を解決していくというシーンはなんか良い。
主人公である紋蔵さんの存在感はそれなりにあるのですが、物語によっては紋蔵さん抜きで進むこともあり、それが後日報告される・・・日常がそこにあるといった展開は心が和みます。
普段、ストレスや落ち込んでいる人にとって当シリーズはそのもやもやした気持ちを和ませるサプリ的作品。お奨めのシリーズです。

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堂場瞬一の「奪還の日-刑事の挑戦・一之瀬拓真」 [読書]

奪還の日 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫 と)

奪還の日 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫 と)

  • 作者: 堂場瞬一 著
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2017/04/21
  • メディア: 文庫
また読んでしまいました。「 特捜本部 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)」の続編。時間軸もその1年後という形になってます。このシリーズ、小気味よい感じで読みやすいし、面白い。アナザーフェイスシリーズの大友鉄さんが主人公の一之瀬に電話で話す、というシーンが登場。また、鳴沢了さんが伝説の刑事として噂話として語られるという特典付き。小説の中、同時代で進行しているシリーズとなっています。
そのうち高城さんなども話に出てきているので、これはいつかコラボする可能性大・・・読者の関心を引っ張りつつ買わせる作品か?
文庫本描き下ろしシリーズとして今後も続々発刊予定らしいので、その辺も期待しつつ次回作を待ちたいと思います。


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「決戦!関ヶ原2」 [読書]

決戦!関ヶ原2

決戦!関ヶ原2

  • 作者: 葉室 麟
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/07/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
決戦シリーズ 「決戦!関ヶ原 (講談社文庫) 」に続く関ヶ原の合戦の第二弾です。
葉室麟ー黒田長政
吉川永青ー島左近
東郷隆ー仙石久勝
箕輪諒ー小川祐忠
宮本昌孝ー本多忠勝
天野純希ー小早川秀秋
冲方丁ー大谷吉継
以上が今回の作家さんとそれぞれの作品の主人公です。歴史好き、関ヶ原の合戦について詳しい方でも、箕輪諒さんが書いた「小川祐忠」のことを知っている人は少ないのではないかと思っています。
関ヶ原合戦の武将の配置図をみて、小早川秀秋の陣の前に西軍として布陣した、脇坂安治、赤座直保、朽木元綱らの陣とならんでその名が見えます。
これら小川を含めた四将は結果的に小早川秀秋の裏切りと行動をともにするわけですが、事前に徳川に内応していた小早川はともかく、この人たちも事前に東軍と通じていたのか?という疑問です。
そもそも小川祐忠のことなどほとんど知らなかったのですが、今回、始めてその生涯を小説という形で読ませていただき、裏切りの人生だったこと、その汚名返上を機して関ヶ原に参戦したことなどを知りました。
実に面白い。戦国期にあって裏切りは日常茶飯事、そんなに責められることではないかとも思うのですが、そこは小説・・・
このシリーズの面白いところは、こうした知名度の高くない人(読者によってその知名度の高さ低さはさまざまでしょうが)にもスポットが当たること。
関ヶ原の合戦は、上杉vs最上、伊達連合軍を始めとしてネタの宝庫。是非、「関ヶ原3」をお願いしたいところです。

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堂場瞬一の「特捜本部-刑事の挑戦・一之瀬拓真」 [読書]

特捜本部 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)

特捜本部 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)

  • 作者: 堂場 瞬一
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2016/06/23
  • メディア: 文庫
堂場先生の著作は読むほうなのですが、この一之瀬拓真シリーズは不覚にも知りませんでした。本作の前に2冊出ており、本作に至るまでの主人公の一之瀬君の成長の軌跡を確認することなく読んでしまいましたが、何の違和感もなく読めました。
堂場先生のシリーズものでは、他のシリーズの登場人物とリンクすることが多く、思わずニヤリとすることがあるのですが、本作でも高城や大友などの名がでてきて楽しめました。
主人公の一之瀬君は実に今風のキャラクターで、あっさりしているというか、少々、小説、しかも警察モノの主人公としては物足りなさを感じた反面、平成の世のヒーロー的な振る舞いでむしろ好感を覚えました。
昨今の刑事モノのは横山秀夫先生の一連の作品にあるように、男と男のぶつかり合い、プロ意識の塊みたいなものが前面に出ることによって、殺伐とした雰囲気がデフォルトになり、他の作品、とくにテレビ作品にそのような感じが広まったように思うのですが、本作はその真逆。「テレビの、特に昭和の作品は嘘くさい」と言わせるセリフが出てきますが、その辺のギャップも面白い。
新しいヒーローの登場の予感・・・です。

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アンソニー・ホロヴィッツの「007 逆襲のトリガー」 [読書]

007 逆襲のトリガー

007 逆襲のトリガー

  • 作者: アンソニー・ホロヴィッツ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/03/24
  • メディア: 単行本
007、ジェームズ・ボンドの新作です・・・といってもイアン・フレミングの原作によるものではなく、イアン・フレミング財団公認によるアンソニー・ホロヴィッツの作になるものです。
アンソニー・ホロヴィッツはイギリスの作家・脚本家。ポワロや刑事フォイルの企画・脚本、コナン・ドイル財団公認で、シャーロック・ホームズの新作、「絹の家」、「モリアーティ」の著作でも知られている。
本作は007シリーズの「ゴールドフィンガー」事件の直後の時代。イアン・フレミング時代のリアル?なジェームズ・ボンド、ショーン・コネリー演じるボンドが登場する。やっぱジェームズ・ボンドは米ソの冷戦時代がよく似合う。しばらく前に、ジェフリー・ディーヴァーが書いた「007 白紙委任状」は9.11以降の現代を舞台にしたもの。こっちはダニエル・クレイグか?
いずれにせよ小説の中のボンドは映画とは異なりかなり地味。作品の最後の部分で派手なシーンも登場するが、結構お約束の感は否めず。まあ、仮に秘密諜報部員や工作員は実在するとすればこんなもんでしょう、というです。
話としては3.5/5点くらい?まあまあ面白かった。それにしてもボンド、ぶっちゃけ今の世界情勢の中でかなり生きにくいのでは?その辺、今後の新作に期待しつつ興味がわきます。

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笹本稜平の「遺産」 [読書]


これぞ冒険海洋歴史ロマンというのではないでしょうか?

是非、映像化したい作品です。

作品名の「遺産」は、主人公だけにかかるものではないですのが(読了後にわかります)、まさにその遺産をめぐる男たちの(女性も登場しますが)ロマンの物語。

純粋に冒険心をくすぐられる作品であり、登場人物の多くが読者の期待する方向に動いてくれます。

また、本書は現代だけでなく400年前の日本も登場、鎖国前の朱印船貿易華やかりし時代のフィリピンを舞台に国際色豊か、スケールの大きなステージがロマンを掻き立てます。

まるで海外の作家の作品を読んでいるようなスケール感。

読むと気分が前向きになります。

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