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堂場瞬一の「奪還の日-刑事の挑戦・一之瀬拓真」 [読書]

奪還の日 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫 と)

奪還の日 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫 と)

  • 作者: 堂場瞬一 著
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2017/04/21
  • メディア: 文庫
また読んでしまいました。「 特捜本部 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)」の続編。時間軸もその1年後という形になってます。このシリーズ、小気味よい感じで読みやすいし、面白い。アナザーフェイスシリーズの大友鉄さんが主人公の一之瀬に電話で話す、というシーンが登場。また、鳴沢了さんが伝説の刑事として噂話として語られるという特典付き。小説の中、同時代で進行しているシリーズとなっています。
そのうち高城さんなども話に出てきているので、これはいつかコラボする可能性大・・・読者の関心を引っ張りつつ買わせる作品か?
文庫本描き下ろしシリーズとして今後も続々発刊予定らしいので、その辺も期待しつつ次回作を待ちたいと思います。


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「決戦!関ヶ原2」 [読書]

決戦!関ヶ原2

決戦!関ヶ原2

  • 作者: 葉室 麟
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/07/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
決戦シリーズ 「決戦!関ヶ原 (講談社文庫) 」に続く関ヶ原の合戦の第二弾です。
葉室麟ー黒田長政
吉川永青ー島左近
東郷隆ー仙石久勝
箕輪諒ー小川祐忠
宮本昌孝ー本多忠勝
天野純希ー小早川秀秋
冲方丁ー大谷吉継
以上が今回の作家さんとそれぞれの作品の主人公です。歴史好き、関ヶ原の合戦について詳しい方でも、箕輪諒さんが書いた「小川祐忠」のことを知っている人は少ないのではないかと思っています。
関ヶ原合戦の武将の配置図をみて、小早川秀秋の陣の前に西軍として布陣した、脇坂安治、赤座直保、朽木元綱らの陣とならんでその名が見えます。
これら小川を含めた四将は結果的に小早川秀秋の裏切りと行動をともにするわけですが、事前に徳川に内応していた小早川はともかく、この人たちも事前に東軍と通じていたのか?という疑問です。
そもそも小川祐忠のことなどほとんど知らなかったのですが、今回、始めてその生涯を小説という形で読ませていただき、裏切りの人生だったこと、その汚名返上を機して関ヶ原に参戦したことなどを知りました。
実に面白い。戦国期にあって裏切りは日常茶飯事、そんなに責められることではないかとも思うのですが、そこは小説・・・
このシリーズの面白いところは、こうした知名度の高くない人(読者によってその知名度の高さ低さはさまざまでしょうが)にもスポットが当たること。
関ヶ原の合戦は、上杉vs最上、伊達連合軍を始めとしてネタの宝庫。是非、「関ヶ原3」をお願いしたいところです。

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堂場瞬一の「特捜本部-刑事の挑戦・一之瀬拓真」 [読書]

特捜本部 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)

特捜本部 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫)

  • 作者: 堂場 瞬一
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2016/06/23
  • メディア: 文庫
堂場先生の著作は読むほうなのですが、この一之瀬拓真シリーズは不覚にも知りませんでした。本作の前に2冊出ており、本作に至るまでの主人公の一之瀬君の成長の軌跡を確認することなく読んでしまいましたが、何の違和感もなく読めました。
堂場先生のシリーズものでは、他のシリーズの登場人物とリンクすることが多く、思わずニヤリとすることがあるのですが、本作でも高城や大友などの名がでてきて楽しめました。
主人公の一之瀬君は実に今風のキャラクターで、あっさりしているというか、少々、小説、しかも警察モノの主人公としては物足りなさを感じた反面、平成の世のヒーロー的な振る舞いでむしろ好感を覚えました。
昨今の刑事モノのは横山秀夫先生の一連の作品にあるように、男と男のぶつかり合い、プロ意識の塊みたいなものが前面に出ることによって、殺伐とした雰囲気がデフォルトになり、他の作品、とくにテレビ作品にそのような感じが広まったように思うのですが、本作はその真逆。「テレビの、特に昭和の作品は嘘くさい」と言わせるセリフが出てきますが、その辺のギャップも面白い。
新しいヒーローの登場の予感・・・です。

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アンソニー・ホロヴィッツの「007 逆襲のトリガー」 [読書]

007 逆襲のトリガー

007 逆襲のトリガー

  • 作者: アンソニー・ホロヴィッツ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/03/24
  • メディア: 単行本
007、ジェームズ・ボンドの新作です・・・といってもイアン・フレミングの原作によるものではなく、イアン・フレミング財団公認によるアンソニー・ホロヴィッツの作になるものです。
アンソニー・ホロヴィッツはイギリスの作家・脚本家。ポワロや刑事フォイルの企画・脚本、コナン・ドイル財団公認で、シャーロック・ホームズの新作、「絹の家」、「モリアーティ」の著作でも知られている。
本作は007シリーズの「ゴールドフィンガー」事件の直後の時代。イアン・フレミング時代のリアル?なジェームズ・ボンド、ショーン・コネリー演じるボンドが登場する。やっぱジェームズ・ボンドは米ソの冷戦時代がよく似合う。しばらく前に、ジェフリー・ディーヴァーが書いた「007 白紙委任状」は9.11以降の現代を舞台にしたもの。こっちはダニエル・クレイグか?
いずれにせよ小説の中のボンドは映画とは異なりかなり地味。作品の最後の部分で派手なシーンも登場するが、結構お約束の感は否めず。まあ、仮に秘密諜報部員や工作員は実在するとすればこんなもんでしょう、というです。
話としては3.5/5点くらい?まあまあ面白かった。それにしてもボンド、ぶっちゃけ今の世界情勢の中でかなり生きにくいのでは?その辺、今後の新作に期待しつつ興味がわきます。

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笹本稜平の「遺産」 [読書]


これぞ冒険海洋歴史ロマンというのではないでしょうか?

是非、映像化したい作品です。

作品名の「遺産」は、主人公だけにかかるものではないですのが(読了後にわかります)、まさにその遺産をめぐる男たちの(女性も登場しますが)ロマンの物語。

純粋に冒険心をくすぐられる作品であり、登場人物の多くが読者の期待する方向に動いてくれます。

また、本書は現代だけでなく400年前の日本も登場、鎖国前の朱印船貿易華やかりし時代のフィリピンを舞台に国際色豊か、スケールの大きなステージがロマンを掻き立てます。

まるで海外の作家の作品を読んでいるようなスケール感。

読むと気分が前向きになります。

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磯田道史の「歴史の愉しみ方-忍者・合戦・幕末史に学ぶ」 [読書]

歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書)

歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書)

  • 作者: 磯田 道史
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2012/10/24
  • メディア: 新書
最近、歴史の常識と思っていたことが新たな文献などの発見によって覆されることが多くなってきているような気がします。
私的には、もう随分前になりますが、足利尊氏や源頼朝の肖像がどうやら違うらしい(源頼朝に関しては、最近は伝源頼朝と紹介されるようになってきたようですが)という話。教科書に載っていた肖像画から人物像をイメージしていただけに、それなりにショックだったことを覚えています。
歴史は過去ものであり、ましては時の為政者によって書かれている部分が多いだけに、一概に今の歴史的常識がその通りかといえば、大河ドラマや歴史小説のように一つの視点からこうじゃない?と想像するのが正しい見方かとも思うのですが、為政者や権力者の観点からではなく、市井の人々からみた歴史的事実(古文書等の文献等)が今までの常識を覆すような発見につながる可能性もあります。
磯田先生はそういう意味で新進気鋭の歴史学者であり、武士の家計簿や無私の日本人といった著作でも明らかなように、その時代の日常から得られた事実の積み上げによって新たな日本人及び日本国の歴史を語ろうとしているのではないかと思っています。
歴史は多面的に捉えることが重要だと思う私としては、今後も更なる活躍を期待したい学者先生だと思っています。

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「決戦!忠臣蔵」「決戦!新撰組」 [読書]

決戦!忠臣蔵

決戦!忠臣蔵

  • 作者: 葉室 麟
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/03/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
決戦!新選組

決戦!新選組

  • 作者: 葉室 麟
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/05/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
決戦シリーズもここまできたか!というネタふり。まさか忠臣蔵と新選組という歴史ネタでも情緒的ステージにあるテーマに決戦シリーズがあてられるとは思いませんでした。
思えば忠臣蔵は古典的日本人?にとってはバイブルのようなものであり、ある種の滅私奉公的日本人を象徴するような話ではあるのですが、話をいろいろな観点からみたり分析すると、赤穂の浪士が忠臣であるかどうかは別として、徳川綱吉時代の法制や支配階級の気分、庶民感覚等がよく反映されていると思うのです。
赤穂浪士の本懐を遂げるまでのストーリーと究めて合理的なアプローチは冷徹さすら感じるところです。こうした多面的解釈が国民的歴史モノには必要です。神風の類もそう。
新選組についてはもう悲劇としかいいようがないという印象です。歴史に翻弄された、とはこういう人たちのことを指すのでしょう。それぞれの人物にスポットを当てる形での展開は他書でも実践されており、書かれている内容についても大きな驚きはないのですが、他書も含め共通しているのが近藤勇の描かれ方。新選組晩年における近藤のポジションがなんとも悲しい。
こうしたテーマでの決戦シリーズ。なかなか面白い企画でした。今後も期待!という感じです。

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磯田道史の「無私の日本人」 [読書]

無私の日本人 (文春文庫)

無私の日本人 (文春文庫)

  • 作者: 磯田 道史
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/06/10
  • メディア: 文庫
無私の日本人 (文春文庫)

無私の日本人 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/06/10
  • メディア: Kindle版
映画「殿、利息でござる」があまりにも有名になってしまったが、殿、利息~の元になったのは、「穀田屋十三郎」、その他に、「中根東里」、「大田垣蓮月」の二人の「無私」の方々のお話が本書には収録されている。
本書のあとがきに書いている通り、自他を峻別し、他人と競争することとは別の哲学が江戸時代の無名の普通の江戸人に宿っており、それがこの国に数々の奇跡を起こした・・・とあるが、まさに収録されている内容は、凡夫である私などには想像もつかない思想と行動。滅私奉公などという封建的なもの、次元とは異なる実話がかつての江戸の時代に起きたことは、江戸の文化・社会の奥深さ、日本人が持つ本来的な意味での力強さなのかもしれない。
「意必固我」(中根東里)、「自他平等の修行」(大田垣蓮月)など、その生き方や考え方に大いに共感、到底その境地にはたどり着かないまでも実践してみたいと思った次第・・・無私にはなれないけれど・・・

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北沢秋の「ふたり天下」 [読書]

ふたり天下

ふたり天下

  • 作者: 北沢 秋
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2016/11/25
  • メディア: 単行本
哄う合戦屋 奔る合戦屋 翔る合戦屋 の合戦屋3部作で歴史小説ファンを魅了した北沢秋先生の久々の歴史モノです。

合戦屋シリーズでは地方の武士の生き残りをかけた闘争の3部作でしたが、本作は結城秀康と黒田長政という実在の、かつ歴史的著名人を主人公に据えた作品。関ヶ原以後の不安定な政治情勢にあって、もう一度天下をかき回してみようとたくらんだ黒田長政と出生時より疎まれながらの人生をおくってきた秀康の天下取りの野望の顛末を描いています。

もしかしたらあったかもしれない、という歴史小説にありがちな(小説なのでOKだと思ってますが)ネタを膨らませた話ですが、長政のフィクサーぶりがやや過剰な感じ。むしろ秀康の方に比重があった方が深みが出たような印象を受けました。長政はやや姑息な印象がぬぐえなかった。

合戦屋シリーズの延長と考えれば立花宗茂にフォーカスを当てた方がよかったかも。彼に対してはいろいろな評価があろうかと思いますが、本作の流れでいけばまさに合戦屋。

彼を主人公にした北沢先生の著作に期待です。

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土橋章宏の「引っ越し大名三千里」 [読書]

引っ越し大名三千里 (ハルキ文庫)

引っ越し大名三千里 (ハルキ文庫)

  • 作者: 土橋章宏
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2016/05/12
  • メディア: 文庫
超高速! 参勤交代 (講談社文庫) 超高速!参勤交代 リターンズ (講談社文庫) で御馴染み、土橋先生の歴史モノ。松平直矩という実在の大名が山形➔姫路(以上、父親の代)→村上➔姫路➔日田➔山形➔白河という幾度も転封されたというお話。現在のサラリーマンでもここまではないという引っ越し履歴。土橋先生の作品だけに悲壮感はないものの、金策や減封に伴うリストラなど、さぞかし当時は厳しい状況だったことは想像に難くありません。それらの顛末を面白おかしくジェットコースターに乗っているがごとくのスピード感をもって一気に読ませます。

徳川綱吉の時代、敵は柳沢吉保。これも映画になるのかしらん。参勤交代シリーズに比べるとエンタテイメント性にはやや欠けますが、「無私の日本人」が原作の、 殿、利息でござる! [DVD] のような雰囲気を持った作品です。