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「決戦!忠臣蔵」「決戦!新撰組」 [読書]

決戦!忠臣蔵

決戦!忠臣蔵

  • 作者: 葉室 麟
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/03/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
決戦!新選組

決戦!新選組

  • 作者: 葉室 麟
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/05/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
決戦シリーズもここまできたか!というネタふり。まさか忠臣蔵と新選組という歴史ネタでも情緒的ステージにあるテーマに決戦シリーズがあてられるとは思いませんでした。
思えば忠臣蔵は古典的日本人?にとってはバイブルのようなものであり、ある種の滅私奉公的日本人を象徴するような話ではあるのですが、話をいろいろな観点からみたり分析すると、赤穂の浪士が忠臣であるかどうかは別として、徳川綱吉時代の法制や支配階級の気分、庶民感覚等がよく反映されていると思うのです。
赤穂浪士の本懐を遂げるまでのストーリーと究めて合理的なアプローチは冷徹さすら感じるところです。こうした多面的解釈が国民的歴史モノには必要です。神風の類もそう。
新選組についてはもう悲劇としかいいようがないという印象です。歴史に翻弄された、とはこういう人たちのことを指すのでしょう。それぞれの人物にスポットを当てる形での展開は他書でも実践されており、書かれている内容についても大きな驚きはないのですが、他書も含め共通しているのが近藤勇の描かれ方。新選組晩年における近藤のポジションがなんとも悲しい。
こうしたテーマでの決戦シリーズ。なかなか面白い企画でした。今後も期待!という感じです。

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磯田道史の「無私の日本人」 [読書]

無私の日本人 (文春文庫)

無私の日本人 (文春文庫)

  • 作者: 磯田 道史
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/06/10
  • メディア: 文庫
無私の日本人 (文春文庫)

無私の日本人 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/06/10
  • メディア: Kindle版
映画「殿、利息でござる」があまりにも有名になってしまったが、殿、利息~の元になったのは、「穀田屋十三郎」、その他に、「中根東里」、「大田垣蓮月」の二人の「無私」の方々のお話が本書には収録されている。
本書のあとがきに書いている通り、自他を峻別し、他人と競争することとは別の哲学が江戸時代の無名の普通の江戸人に宿っており、それがこの国に数々の奇跡を起こした・・・とあるが、まさに収録されている内容は、凡夫である私などには想像もつかない思想と行動。滅私奉公などという封建的なもの、次元とは異なる実話がかつての江戸の時代に起きたことは、江戸の文化・社会の奥深さ、日本人が持つ本来的な意味での力強さなのかもしれない。
「意必固我」(中根東里)、「自他平等の修行」(大田垣蓮月)など、その生き方や考え方に大いに共感、到底その境地にはたどり着かないまでも実践してみたいと思った次第・・・無私にはなれないけれど・・・

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北沢秋の「ふたり天下」 [読書]

ふたり天下

ふたり天下

  • 作者: 北沢 秋
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2016/11/25
  • メディア: 単行本
哄う合戦屋 奔る合戦屋 翔る合戦屋 の合戦屋3部作で歴史小説ファンを魅了した北沢秋先生の久々の歴史モノです。

合戦屋シリーズでは地方の武士の生き残りをかけた闘争の3部作でしたが、本作は結城秀康と黒田長政という実在の、かつ歴史的著名人を主人公に据えた作品。関ヶ原以後の不安定な政治情勢にあって、もう一度天下をかき回してみようとたくらんだ黒田長政と出生時より疎まれながらの人生をおくってきた秀康の天下取りの野望の顛末を描いています。

もしかしたらあったかもしれない、という歴史小説にありがちな(小説なのでOKだと思ってますが)ネタを膨らませた話ですが、長政のフィクサーぶりがやや過剰な感じ。むしろ秀康の方に比重があった方が深みが出たような印象を受けました。長政はやや姑息な印象がぬぐえなかった。

合戦屋シリーズの延長と考えれば立花宗茂にフォーカスを当てた方がよかったかも。彼に対してはいろいろな評価があろうかと思いますが、本作の流れでいけばまさに合戦屋。

彼を主人公にした北沢先生の著作に期待です。

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