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垣根涼介の「室町無頼」 [読書]


室町無頼

室町無頼

  • 作者: 垣根 涼介
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/08/22
  • メディア: 単行本

面白かったです!!

恐らく日本史上、もっとも混乱した時代、無政府状態にあってそれまでの価値観や秩序が崩壊した室町中期から後期にあって、歴史書にはほんの少し触れられている程度の存在だった人物たちを活写した本書はそのスケールの大きさから、大げさにいえばスターウォーズ(エピソードⅣだな)に匹敵するかのごとく作品だと思います。

青年、吹き流しの才蔵の成長物語を軸に(この流れはルークとヨーダのようです)、骨皮道賢、蓮田兵衛の両巨頭の大胆にして不適であり、胸をすくようなストーリー展開はページをめくる手を止めさせません。

脇役的ながら、実はこの物語の語り手的存在なのが暁信。ラストに至る怒涛の流れの中で暁信の存在は物語の中核をなす登場人物たちを引き立てています。

是非とも映像化したい作品。垣根さんの歴史小説はなかなか読ませます。次の作品も楽しみです。


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上田秀人の「新参 百万石の留守居役(三)」 [読書]

新参 百万石の留守居役(三) (講談社文庫)

新参 百万石の留守居役(三) (講談社文庫)

  • 作者: 上田 秀人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/06/13
  • メディア: 文庫
 
このシリーズ、スケールが大きくて主人公であるところの瀬能数馬があまりにも情けなく小さく見えてしまうところが面白いと言えば面白い。
テレビドラマにしろ小説にしろ「脇役が光るものは面白い」という法則(あくまで私の法則ですが)にはかなっていて、本書でいえば前田直作や本多正長、その娘の琴姫などの脇が個性豊かでシリーズとしての面白さを醸し出しているような気がします。
本書の当シリーズの三作目。留守居役に任じられて右も左もわからず、若いゆえに人生経験もない。教育係の五木や前田直作などに忠義の意味を問われ、その答えに戸惑いを覚える様はなんともほほえましいシーンではありますが、果たしてこんな調子で重要な役回りをこなせるのかと心配です。
今後、巻が進むごとに(既刊は8巻)成長する様がみられるのでしょう。ゆっくりとその成長ぶりを追いたいものです。 

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高村薫の「李歐」 [読書]

李歐 (講談社文庫)

李歐 (講談社文庫)

  • 作者: 高村 薫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1999/02/08
  • メディア: ペーパーバック
高村さんの作品、久しぶりに読みました。日々現実逃避の気がある私としては、内面をえぐるような記述はつらいものがありますが、なんとか最後まで読み切ったという感じです(再読です。「わが手に拳銃を」のときよりしっかり読んだ気がする・・・)。
フツー?(やや変わってますかね、本書の主人公一彰くんは・・・)の青年の半生。何気ない日々の行動がいつの間にか大国間の抗争の文脈で語られるようになった展開は、少々驚きではありますが、ち密な構成ゆえか違和感を感じません。
ある種大変怖い内容ではありますが、現代のようにネットや仮想現実の世界でいつのまにか巻き込まれるという世界よりは現実の人間が絡み会話が成立している段階で今より少しはましかもしれません。
大陸に抱く夢・・・そんな夢想を抱ける時代ではないかなぁー