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三浦しをんの「仏果を得ず」 [読書]

仏果を得ず (双葉文庫)

仏果を得ず (双葉文庫)

 三浦しおんに青年(年齢的にも精神的にも青年に属するキャラクター)を書かせたら天下一品!と思ってました。文楽、人形浄瑠璃という伝統文化の世界で修行にいそしむ青年の笑いあり、恋あり・・・そして芸能の世界つきものの厳しさあり、といった作品。歌舞伎などと違って話を語る大夫、三味線、人形遣いは世襲ではないんだとか。研修所というところに入れば誰でもプロになれるんだそうです。そんな仕組みに感心しながら面白おかしく読めました。
最近、こうした伝統文化に関わることや職人の世界、憧れます。いい年こいて何にも残っていない自分が情けないと思うばかりです。 
 
 

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山本兼一の「神変-役小角絵巻」 [読書]

神変―役小角絵巻

神変―役小角絵巻

 
役行者・・・日本史の教科書の出番と思いつつ、山本兼一さんもこんなジャンルの作品を書くのかと期待を膨らませて読み始めたのですが、最初は大和政権に苦しめられている庶民の味方、反権力、レジスタンスの物語、その後、悟りを得た役小角の特殊能力を駆使したファンタジーSF的展開と、なかなかエンターテイメント?にあふれた作品。史実に基づくフィクションなのか?それともファンタジー?SF?という部分で、微妙に?肩透かしをくったという感じで、物語に落ち着きがない。正直★2つ(5つ満点)でした。一人の人物を描き上げることでは定評のある山本さんの作品としてはやや意外。もともと主人公自体が怪しい?存在ではありますが、もう少しノンフィクション的な展開を軸にしてほしかったような気がしました。次回作に期待します。

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兵庫県知事の「清盛、画面汚い、改善を求める」発言の危険性 [テレビ]

兵庫県知事が8日放送された大河ドラマ平清盛」について、「画面が汚い、NHKに改善を求める」という発言について。

公権力の長が自分の好悪を判断基準にして、人が表現したものに対し、安易に批判するのは大変危険なことだと思います。ましてやNHKに改善を求める、などという発言はいかがなものか?兵庫県としては清盛ブームにのっかって観光につなげたいという意図があったそうですが、兵庫県がお金を出してつくった観光PRドラマではないのですから、改善を求める、というのは筋違い。それぞれ好みがあって、個人的に批判するのは構いませんが、知事という権力者が個人の感性を基準にNHKに圧力をかけるような(そう誤解されるような)発言はすべきではない。

報道のされ方にもよるので、ご本人に真意があるのかどうかわかりませんが、その影響力を考えるべき。非常に問題のある発言だと思います。


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大河ドラマ「平清盛」:初回視聴率17.3% [テレビ]

大河ドラマ平清盛」が始まりました。初回平均視聴率は17.3%(関東地区)で、「春日野局」の14.3%以来の低さということで、しつこいほどのNHKの番宣も功を奏さなかったようです。初回が連休中日ということも影響したのではないかと思いますが確かに大河ドラマの初回としては低いかもしれません。ちなみに昨年の「江~姫たちの戦国」の初回視聴率は21.7%でした。もっとも「春日野局」は平均視聴率が32.4%と今では考えられない数字を叩き出しており、初回放送時に何かあったの?と思わせるような結果となっています。最近の大河、「天地人」、「竜馬伝」の平均視聴率は、それぞれ21.2%、18.7%、「江」は17.7%、ずいぶんとハードルが低くなっています。「平清盛」も20%を超えれば御の字というところでしょうか。

さて、「平清盛」初回の感想ですが・・・劇画調の演出、映像に好感が持てました。清盛の出生の秘密を何も初回にまとめる必要はなかったかと思いますが(最初から松山ケンイチ登場でもよかったような気がします)、黒澤明を思わせるような京の荒廃した都を舞台に従来の清盛像とは違ったフィクションをたくさんちりばめたストーリー展開に期待したいと思っています(荒々しく、小汚く、かつえげつなく、男くさく・・・)。

ただ、海賊撃退のシーン、映像としての質感はよかったのですが、「パイレーツ・オブ・カリビアン」などの映画を観てしまった後の船の上での戦闘シーンにはちょっとがっかり。絵が止まっているようで残念でしたなぁ。最近の大河は予算が少ないのか合戦シーンなどが少なくなっているような気がしますが、その辺も期待したいところです。


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佐藤雅美の「御当家七代お祟り申す」:半次捕物控 [読書]

御当家七代お祟り申す 半次捕物控

御当家七代お祟り申す 半次捕物控

少し前までは正月といえばテレビ各局、猫も杓子も時代劇でしたねぇ。最近はめっきり少なくなったので、そこは本で、ということで、のんびりまったりしながら江戸の岡っ引き半次の活躍でも・・・
今回は敵討ちモノ。とはいっても忠臣蔵のような大掛かりでもなく、敵を討つものも討たれるもの双方につきまとう悲壮感や切迫感があるわけでもない。果たして敵討ちとして成立するかどうかという怪しいお話ながら、敵とされたさるお大名が目に見えぬ相手に右往左往するさまが面白い。
昔のことをいつまでも根に持つととんでもないことになる。これが先祖の話だとすると話も増幅され、尾ひれもつく、という話で、敵を討とうしている当の本人も感覚が薄れている・・・
たんたんと事件に対応する半次の働きが好ましい。いいよな、やるべきことをやる男。こういう男に私はなりたい、なんてね。 
 

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「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」を読み始めて・・・ [マーケ/コンサル&job]

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ

  • 作者: デイヴィッド・ミーアマン・スコット
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2011/12/08
  • メディア: 単行本

新年明けましておめでとうございます。
昨年は東日本大震災や台風等々、自然の猛威にさらされて人間が築いてきたいろんなものが吹き飛ばされてしまったような観があります。人間なんてちっぽけな存在であることをまざまざと見せ付けられた一年でした。その人間界では、ヨーロッパの金融危機の影響により、欧米を中心とした世界秩序が崩壊しつつあります。「Turning Japanese」(The Economist)、あらゆる危機に対し、ここ20年、日本の空洞化、何もしてこなかった、できなかった日本の姿が欧米に波及している、というありがたくない日本へ皮肉めいた祭り上げ方は、今までの価値観が通用しない時代に直面していることを象徴しているのはないか?そんな感じがしています。
 
今回、ご紹介した「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」は、実はまだ読み始めたばかり。年末に某外資系のマーケティング・コーディネーターの方から薦められた本です。マーケティング関連の実用本、という触れ込み(解説の糸井重里氏)で、従来のマーケティングの概念と正反対のことをやろう、という内容らしい。それこそが今の混沌として先行き不透明な時代のマーケティングを形作るもの、という内容だそうです(ここまでしか読んでいないので、最後はどんな結論になるかはわかりませんが)。
上昇志向をやめること、他人と比較することをやめること、上へ上へではなく、横へ広がっていくこと、気持ちよさ、心地よさを求めること・・・こうした考え方、ヒッピー&ドラッグカルチャーを基盤とした考え方が新しいアイディアや創造につながっていく。インターネットのフラットな世界、アップルのタッチパネルの心地よさはみんなこんな発想がベースにあり、まさに今、世の中を席巻している。グレイトフル・デッド(バンドの名前、知ってました?)の音楽活動に60年代から実践されてきたビジネスモデルそのものが、21世紀のマーケティングの姿を形作っている。そんな内容らしい。
 
今までも、価値観の多様化などの言葉で言い表されてきた時代の雰囲気とはおそらくは違うのでしょう。なんとなく予め決められた枠の中での多様性から、枠が外れつつある時代に語られる新しい動きが萌芽しつつある、そんな時代になりつつあるのでしょう。そういう意味で本書の内容は非常に興味があると同時に期待させられる感じがしています。
 
糸井重里氏曰く、「この本は『もしドラ』以上の実用本です」。どんなもんか読み終わったらまた感想文をアップしようかと思っています。 

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池井戸潤の「下町ロケット」 [読書]

下町ロケット

下町ロケット

 日本の中小企業が日本の産業、特に製造業を支えているのは周知の事実です。仕事柄、中小企業の社長さんにお話を伺う機会が多いのですが、確かな技術力とプライドを持って仕事をされている方が多い。リーマンショック以降の景気悪化、最近の急激な円高で中小企業は青息吐息ですが、そんな中で世界に出しても恥ずかしくない技術、先端技術を持っている会社はたくさんあります。積極的な事業展開を進めている会社は、海外へ需要を求めようとする会社もあり、世界の産業を支える日本の中小企業、という図式が遠くない将来、現れるかもしれません。もっとも、いわゆる零細といわれる企業規模の会社が多いのも事実であり、多くは淘汰される運命にあるのかもしれませんが・・・
 
本書が話題になった時、大阪の町工場の人たちが打ち上げた衛星、「まいど号」をイメージしていましたが、読んでみると違いましたね。町工場といっても年商100億円、従業員200人と製造業では中小企業に分類されますが、かなり大きい会社という印象。そういう意味でドラマ性としてはやや肩透かしをくらった感じでしたが、日本を代表する大企業と特許を巡って争うストーリーは面白かった。大企業vs中小企業という基本プロットに、大企業の出世争いや中小企業内の社長と若手従業員との確執などのエッセンスを入れながら、次はどうなる?的な期待感を持たせる構成になっています。
池井戸さんの作品は乱歩賞受賞作品「果つる底なき (講談社文庫) 」以来でしたが、こんな作風だったっけ?と思わせる作品。お勧めの一冊です。
 
 

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誉田哲也の「シンメトリー」 [読書]

シンメトリー

シンメトリー

 なでしこジャパンに象徴されるように、最近の撫子は強い。この間の柔道グランドスラムで女子選手の活躍がありましたが、日本はもとより世界に羽ばたく日本女子!、大和撫子!! ・・・実に頼もしい限りです。

そんな撫子が主人公の本書は、誉田哲也の人気警察小説姫川玲子シリーズの短編集。彼女が警視庁に赴任する前の所轄時代のエピソードなども所収されています。
ストロベリーナイト」、「ソウルケイジ」、「インジビブルレイン」と続くシリーズ作品では、扱っている事件そのものが重厚で、登場人物も多く、姫川が主人公といいながら埋没してしまいそうな雰囲気であるのに対し、本書は姫川のキャラが前面にたって小気味よい感じです。
今時の30女の今時のヒロイン。正直生意気な感じがしますが、それもまたいいのでしょう。 
なお、1月から本シリーズは竹内結子主演で「ストロベリーナイト」として連続ドラマ化されるそうです。 「ソウルケイジ」、「シンメトリー」、「感染遊戯」が原作となる模様。丁寧にかつ原作の雰囲気を活かして映像化して欲しいと思う次第です。

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山本兼一の「白鷹伝」 [読書]


白鷹伝―戦国秘録 (祥伝社文庫)

白鷹伝―戦国秘録 (祥伝社文庫)

山本兼一さんの初期の作品です。山本さんにとっては初の長編小説ということのようですが、初の割りに良く書けてますよね(当たり前だ!直木賞作家だぞ!って声が聞こえてきそうですが・・・)。
山本さんが描くことが多い、知る人ぞ知る職人、達人シリーズの記念すべき第1作というところでしょうか?
主人公は近江の浅井家に仕えた鷹匠、小林家鷹(家次)です。家鷹は、浅井家滅亡の後、織田信長に使え、天下一の鷹匠の称号を与えられた実在の人物です。
「からくつわ」と名づけられた白鷹の訓養、信長、家康、そしてお市などとのかかわりを中心に、戦国真っ只中の時代に生きた鷹匠の生涯。 実在の人物ながら物語は山本さんのフィクションなのでしょうが、淡々とした筆写する中に妙にリアリティを感じてしまった、そんな作品です。
お勧めの1冊です。 

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佐藤雅美の「一心斎不覚の筆禍」:物書同心居眠り紋蔵 [読書]


最近珍しく?仕事が忙しく、ブログの更新も、本を読むのもちょっと御無沙汰気味でありました。
なんとなく余裕が無くなってくるですね。本当はそんなに違いはないんでしょうが、気分的に追い込まれているような気がして他のことに手がつかなくなります。
こんなときは佐藤先生の著作がいい。本書は居眠紋蔵シリーズ。シリーズ化された当初は文庫が出るたびに読んでいたのですが、最近は少し遠のいていました。
しばらく読んでいないうちに、紋蔵さんの子どもたちも婿にいったり嫁にいたったりで御無沙汰している間に成長しちゃってました。
本書の面白さはそれぞれの作品の描写がノンフィクションのような雰囲気を持っていること。主人公の紋蔵さん自身がコトを解決することなく、最初から最後まで傍観者の場合もあります。
淡々として読みやすい。ストレスのあるときに読むとふっと力が抜ける。
「物書同心居眠り紋蔵」、お勧めシリーズです。 
 

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