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タイムスクープハンター:シーズン4 [テレビ]

 
まさかシーズン4まで制作されるとは思ってませんでした。要潤演じる時間ジャーナリストが歴史の実態をレポートするという設定で始まった本作は、”主役”が歴史的人物や英雄ではなく普通の人々であることから、テレビとしては非常に地味な話。要演じるところの沢嶋雄一の所属する調査第2部が庶民の歴史を担当する部署という背景もあって、みようによってが退屈な感じもしますが、登場する役者が鬘ではなく本当に月代をそったりちょんまげを結っているというリアル感も手伝って、作り物にはない妙な醍醐味が感じられて好きな作品です・・・とここまで書いて、このブログで何度となく同じことを書いているような気がする・・・という既視感に。最近、「ああ、知ってますよ、その番組」という人が多くなりちょっとうれしい感じもしてます。

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山本兼一の「狂い咲き正宗」~刀剣商ちょうじ屋光三郎

その道を極めた人や職人など、ストイックな主人公を描くことで定評のある山本さん。刀剣商が主人公の本書は、いわゆる江戸もの、市井ものの趣のある作品です。
幕府御腰物奉行の嫡男であった主人公光三郎が、名刀「正宗」を巡って父と大喧嘩、勘当されて、刀剣商のちょうじ屋の婿になってしまうという設定。刀を巡って起こるさまざまな出来事、難題を解決していくというお話。
日本刀は武器であると同時に美術品としての価値もあることから、さまざまなドラマが生まれる。刀に振り回される人々の悲喜交々のストーリーに事件ものでも恋愛ものでもない面白さがあります。武士から町人身分へ、20代という若さという主人公の設定も物語に小気味よさを与えているような気がします。
本書の続きを読みたいなぁと思ったら、去年、発刊されていました(「黄金の太刀」)。続きを読むのが楽しみです。
 
黄金の太刀 刀剣商ちょうじ屋光三郎

黄金の太刀 刀剣商ちょうじ屋光三郎

  • 作者: 山本 兼一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/09/16
  • メディア: 単行本
 

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北森鴻(浅野里沙子)の「邪馬台国~蓮杖那智フィールドファイルⅣ」 [読書]

邪馬台―蓮丈那智フィールドファイル〈4〉

邪馬台―蓮丈那智フィールドファイル〈4〉

2010年1月に急逝した北森鴻氏の遺作です。作品が完成する前に亡くなられたこともあり、公私ともにパートナーとされる浅野里沙子氏が引き継ぎ、完成させたという本書は、「邪馬台国」という日本史にとって最大の謎、歴史的なミステリーに挑戦した意欲作でもあります。
邪馬台国がどこにあったか?という視点ではなく、「民俗学的アプローチから邪馬台国に迫る」という新たな挑戦は、作家ならではの自由な発想、考え方から、もしかしたらそうかもしれない、というだけの説得力はあったような気がします。もっとも、日本の古代史、黎明期の歴史や、古事記、日本書紀などの内容を理解していないと、小説の中で語られているヒントや謎に迫る逸話がよくわからない、といううらみもあります。そういう意味では難解な小説でもありました。
北森さんが発表してきた蓮杖那智シリーズの登場人物はもとより、冬狐堂シリーズの宇佐見陶子などの人気キャラ総登場の展開に、ファンとしてうれしい限りだったのですが、これはテーマの大きさもさることながら、北森氏が亡くなる直前まで書いていた本作にご自身で思うところがあったのか?
気になる作家さんの一人だっただけに今後新作が出ないというのは本当に寂しいかぎりです。
ご冥福をお祈りいたします。 

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大河ドラマ「平清盛」~がんばれ [テレビ]

大河ドラマ平清盛」の低視聴率がとうとう新聞ネタになりました。そもそも視聴率に一喜一憂すること自体、日本のテレビ文化?を台無している、という論陣を張りがちな新聞が視聴率をネタにするのもなんだかなあ、という感じするのと、今の時代、さまざまなメディア(ディバイスと言い換えていいのかもしれない)があって、いつも同じ時間にコンテンツを楽しむという時代でもないので、視聴率という尺度がどの程度、視聴者の支持を表しているかというと疑問を抱かざるを得ない・・・とはいいつつ、その尺度でみると「平清盛」は大変なjことになっているようです。
小説にしろ、テレビ番組にしろ、映画にしろ、人それぞれの好みや評価があるという前提で書けば、今回の「平清盛」は面白いと感じている一人です。なにより映像がいい。あの埃っぽい感じが好きです。また、衣装もいいではありませんか。汚い感じもしますが、当時はあんなもんだったのでは?と思わせる雰囲気がよく出ており、制作者のこだわりを感じます。
今回の視聴率低迷の要因として挙げられているのが、「時代になじみがない」、「清盛は悪人・・・」などの指摘があがっているようです。同じ清盛を主人公にした「新・平家物語」(1972年度仲代達也主演)は、平均視聴率が21.7%と、当時の大河としてはやはり低かったことから、確かになじみがない、清盛=悪人との印象が強いのかもしれません。
今年度の清盛は、院政時代を事細かに描いているところからスタートしており、陰湿な貴族階級の世界がより話を分かりにくくしているのかもしれない、とも思うのですが・・・ただ、ここをキチンを描いていないと、後の清盛の時代との違いがよくわからなくなってしまう、ということはあると思います。
来週以降、武家政権誕生に向けた助走が始まります。ライバルである源氏との抗争もはじまり、ようやくみんなが好きな源平の時代へ入っていきます。 別に視聴率が高くなくてもよいのですが、制作サイドには最後まで諦めず、最初のこだわりを捨てずに最後までつっぱして欲しいと思っています。

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高橋直樹の「霊鬼頼朝」 [読書]

霊鬼頼朝

霊鬼頼朝

源頼朝といえば、いいくにつくろうかまくらばくふ、「1192年、鎌倉幕府成立」と覚えた世代。1192年は頼朝が征夷大将軍に任じられた年。最近の学説では、実質的に幕府の形態を整えた1185年説が有力だとか。新たな学説や発見、解釈によって歴史は変わるもの。本書はそんな観点からみると、あ~、なるほど、といえる作品です。
本書の本当の意味での主人公ともいえる源頼朝は、源義経や範頼といった兄弟、血縁者を容赦なく罰し、殺しました。家族、一門であろうと新しい政権と秩序を維持するためには厳罰をもって臨んだ姿勢は、後の武家政権による日本支配の礎を築いたともいえるのですが、一方で源氏による将軍は頼家、実朝の3代で途絶え、北条執権幕府にとって変わられます。
本書は、もしかしたら4代将軍に就任したかもしれない頼朝の子、頼家の異母兄弟であった貞暁、清盛の妻、時子の弟でのちに関白にまでなった平時忠と源義経、奥州藤原氏4代の藤原泰衡、鎌倉幕府3代源実朝らを主人公にした短編集です。いずれも歴史の中では脇役であり、どちらかといえば時代の流れを読めずに、歴史の主人公になり損ねた人々ですが、頼朝本人、あるいはその影に怯えつつもなんとか生きようとした人々の話でもあります。
むろん一つの解釈、フィクションではありますが、小説というスタイルで当時の人々の生き様をみるのも面白い。歴史小説の醍醐味かもしれません。 
 

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歌野晶午の「春から夏、やがて冬」 [読書]

春から夏、やがて冬

春から夏、やがて冬

 
 
 
 
 
実に切ない話です。本書はある種の復讐劇だと思うのですが、家族も失い、自分の命も残りわずかという局面に至って、何を糧に生きるのか?社会に関わることで生きることの意味を何となく感じているだけ?考えなくてもいいことや嫌な思いをしたくなければ生きるという社会的行為(自殺という意味ではなく)をやめればいいということにならないか?主人公が抱く虚無感はそうした感情に近いのかもしれません。本書を読んで、何年先になるかわからないけど、周りに誰もいなくなり1人になる可能性が高い私としては、柄にもなくいろいろ考えさせられたわけです。今はあまり読みたくない本だったな、って感じです。 
 

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佐藤雅美の「私闘なり、敵討ちにあらず」:八州廻り桑山十兵衛 [読書]

私闘なり、敵討ちにあらず―八州廻り桑山十兵衛

私闘なり、敵討ちにあらず―八州廻り桑山十兵衛

そこかしこで起こる揉め事をある種の権威をもって解決する、というのは水戸黄門的時代劇の定番ですが、その場合、必ず「正義」という大義がつきまとう。このシリーズはそんな「正義」を振りかざさないのがいい。むろん「八州様」という権威が最終的には物をいうわけですが、この「八州様」が正義を体現したものかというと必ずしもそうではないところが物語に深みを持たせている、と思うわけです。江戸時代の市井の息吹を感じるシリーズ。お勧めです。 

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誉田哲也の「インビジブルレイン」 [読書]

インビジブルレイン

インビジブルレイン

ご存知、姫川玲子シリーズ。事件解決後、鉄壁のチームワークを誇った姫川班は解体されます。このシリーズが今後どんな形で続くのか・・・姫川を取り巻く登場人物のキャラクターが固まっていただけに一抹のさみしさを感じる反面、新たな展開が期待できるというか、メリハリをつける意味でも良かったのかも。
肝心の本書については、一連のシリーズの中では最も「女らしい姫川」だったような気がします・・・が、作品としての面白さはやや他の作品に比べると落ちるかも。所轄に飛ばされた姫川の今後の活躍に期待、です。 
 
 

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島田荘司の「ゴーグル男の怪」 [読書]

ゴーグル男の怪

ゴーグル男の怪

なんだかなぁ~という読後感。本作はNHKで放送された「探偵Xからの挑戦状!~島田荘司スペシャル」の際に書かれた原作に加筆し、新たに単行本として発刊されたもの。いわゆる本格ミステリーの旗手としての島田荘司がテレビ番組のシナリオを書くという時点で驚きだったわけですが(残念ながら放送は観ていないけいど)、「島田荘司スペシャル!」と銘打つだけの期待度の高さはミステリーファンにとっては相当のものだったのではないかと想像します。
その原作を加筆した作品であるならば・・・という期待感を持って読んだわけですが、その加筆された部分とおそらくはテレビで放送されたミステリー部分との相関というか必然がよく分からなかった?というのが正直な感想です。震災後に書かれたということもあり、日本の原子力政策の闇の部分を描写したシーンは鬼気迫るものがあり、これが結論とどう結びつくのか期待大だったわけですが、結果は至って常識的な?線に収まった感じです。
私の読解力、理解力、はたまた想像力の欠如かもしれないという気もしますが・・・ 
 

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真保裕一の「天魔ゆく空」 [読書]

天魔ゆく空

天魔ゆく空

応仁の乱の東軍の総帥だった細川勝元の息子、細川政元が主人公の小説です。教科書的には、応仁の乱の後、下剋上の時代、いわゆる戦国時代に突入という流れで、信長や秀吉の登場といった観があります。室町幕府の将軍がこの辺になると誰が誰だかわからなくなってしまう。歴史学の観点からみれば、応仁の乱が信長などを生み出すきっかけになったことが重要であって、その後100年近く、正確には信長登場まで70年間は混乱した時代であり、織豊時代に至る序章的な時代ということになるのでしょう。そんな歴史学からみれば地味な時代に生きた武将、政治家細川政元という人物は、実は信長に匹敵するだけの英傑、傑物だった、というお話です(作者の真保さん自身が後書でも書いていますが)。
それだけの人物であるならばなぜ細川幕府を作らかなったのか?自ら将軍とならなかったのか?という感じもします。そういえば、この細川家の諸流の子孫である細川護熙が首相になったとき、ある雑誌が、「細川家400年の宿願が実った」と書いたのを記憶してますが、この政元という人物が自らを頂点に導くだけの器量があったら、ほんの少し、戦国時代の様相も少し変わったのではないか?という気もします。登場するのが早すぎたのかもしれません。

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